うそつき執事の優しいキス
 何の問題があるって言うのよ!?


 なんて、思わず。


 頬を不満で膨らまして聞けば、爺が深刻そうに答えた。


「……が、通ってるんですよ」


「え?」


「私の孫、藤原 宗樹(ふじわら そうじゅ)が、現在!
 君去津高校二年二組に在席していると申し上げているのです!」


 きた~~!


 そう! これよ、これ!


 わたしが数ある公立高校の中で君去津を選んだ理由、これなのよ!


 いくら『頑張ってみよう』って思っても、さ。


 本当に、全く初めてな所に一人でぽーーい、って飛びこんだら、とっても不安じゃない?


 今まで、私立星条学園でずーーっとお世話になっていた関係上。


 どっか遠くに転校しちゃった子以外、わたしの友達も知り合いも全員学園にしかいないのよねぇ。


 だから、いつもお世話になっている爺、宗一郎のお孫さんが通っている高校なら、ちょっとは安心かなって思って。


 ちょーっとレベル高い高校だったけど、受験、頑張ってみちゃったの。


 あ、でも!

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