よくばりな恋


ベッドに寝かせた翠をしばらくベッドサイドで見ていた。夢を見ているのか、目尻から涙が一筋こぼれる。

頭を撫でてやると、寝言なのかうわ言なのか
「寂しいよ・・・・・・・・・・」
と言葉がもれる。


目が覚めた翠は慌てて出ていこうとした。オレに頼らなかったことに腹を立てていたから、言葉がすぎて本格的に泣かせてしまった。

自分の大人気なさに嫌気がさして、翠の涙をタオルで拭ってやる。熱も上がってきているようだ。

翠が胸にしがみつく。病気で弱っているのだろうか?抱きしめて背中を撫でると安心するようにしがみつく手の力を緩めた。


客用布団なんか用意していないから、ダブルベッドで広いのに、端っこで身体を丸めて眠っている翠の横で眠りについた。
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