よくばりな恋
紺のフードつきの丈の長めのトレーナーとグレーのレギンスパンツに着替え、ベッドのカバーリングを全てはずす。本当はお日様に干したいけれど、時間もないし乾燥機を使わせて貰おう。
先生の本棚からミステリーの文庫を見つけて、ブランケットにくるまってソファーで読んでるうちに、いつの間にかうたた寝をしていたらしい。鍵を開ける音で目が覚めた。
「おかえりなさい」
玄関まで出迎える。
「ただいま」
先生が頭を撫でてくれる。
「寝てたらよかったのに。身体は大丈夫か?」
「うん、ラクになりました」
「そうか」
話しながら先生の後をついてリビングに入る。
「翠!」
少し強めに名前を呼ばれる。