よくばりな恋
泣きじゃくるわたしを苦しいほど抱きしめる。
「オレがごめんや、止まらへんかった・・・・・」
違う、違うよ、言葉に出来ず頭を横に振る。
最後までしてしまうときっとさよならが辛くなる。
「せんせ・・・・・っ、ごめんなさい。あ・・・あきれないで・・・・・覚悟ができなくてごめ・・・・・・・・・・」
ソファーから降ろされ、先生の足の間に入れられ、一層強く、きつく抱きしめられる。
「翠・・・・・翠・・・・・あきれてないから。泣かんでええよ」
先生がわたしの頭に顔を埋める。
意気地なしでごめんなさい。
情けなくてごめんなさい。
面倒臭くてごめんなさい。
外気があたる背中を優しい手が上下する。欲しくてたまらないのに、決してわたしのものにはならない大きな手・・・・・。