よくばりな恋
・・・・・・・・・・・・・・・ヘンな女。

確かに人目も気にせず泣いてたヘンな女なんだけど・・・・・・・・・・・・・・・。


「誰がヘンな女よっ。海斗っ!翠にあんまり近付かんといて!妊娠してしまうわ!」
紗英はまるで毛を逆立てて怒る猫のよう。

「アホか!妊娠は空気感染かっ!」

横で聞いていた成海先生が思わず吹き出す。

「紗英、折角翠ちゃんが用意してくれた鍋が冷めるよ。早う食べよ」

「そうだよ、紗英。ほらビール出して」
紗英をキッチンへ追い立てる。

「あの、この間はありがとうございました、斯波先生。同じ病院に勤務してます管理栄養士の廣田翠です」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・社会人だったんだ」

う・・・・・・・・・・・・・・・確かに背も低いし、童顔だし、お化粧もあんまり上手じゃないけど。

「紗英の大学の同級生なんだよ、翠ちゃんは。たまにこうやってウチ飲みすんだ。翠ちゃん、海斗と僕、中学、高校の同級生だったんだよ」
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