よくばりな恋
オレは決心して和沙に連絡をとった。
「なに?指環?」
待ち合わせしたコーヒーショップで、和沙がポカンとした顔で聞く。
「そう。細くて小さな手にあう華奢なリング」
「あのちっちゃいカノジョ?本人に選ばせてやったら?」
「うるさいな」
「なに?サプライズってか?今まで女の子に指環贈ったことないとか言ったら笑うわよ」
コーヒーを飲みながら和沙が茶化す。
「・・・・・今までは勝手に女の方が選んでオレ金出すだけだったし」
「うわ・・・・・アンタ最低」
「おまえ、売上欲しくないの?人がせっかく連絡してやったのに」
「欲しいわよ。一緒に行って選んだげるわよ。たっかいヤツ。で?そのままプロポーズに行くわけ?スーツなんか着ちゃって」