よくばりな恋
好きじゃなかったら、面倒なこじらせ処女なんて相手にしてない。
泣きじゃくる翠を思いきり抱きしめる。
止まらなくて、愛しくて、
初めてなのに翠に何度も無理をさせる。
胸の中でへにゃりと翠が笑うたび、オレの理性が崩れ去る。
やっと翠を手に入れたーーーーーーー。
退院してから着替えを家に取りに帰って先生の家にずっと居る。
先生は忙しくてなかなか一緒にはいられないけれど、「おかえりなさい」を言ってあげられることがすごく嬉しい。
わたしに触れる手はどこまでも優しくて、かけられる言葉は砂糖菓子のように甘い。
けれどわたしにはひとつだけ心配事があった。
そうーーーーーー
斯波家にとってのわたしの存在だ。