よくばりな恋


好きじゃなかったら、面倒なこじらせ処女なんて相手にしてない。

泣きじゃくる翠を思いきり抱きしめる。



止まらなくて、愛しくて、

初めてなのに翠に何度も無理をさせる。

胸の中でへにゃりと翠が笑うたび、オレの理性が崩れ去る。




やっと翠を手に入れたーーーーーーー。





退院してから着替えを家に取りに帰って先生の家にずっと居る。

先生は忙しくてなかなか一緒にはいられないけれど、「おかえりなさい」を言ってあげられることがすごく嬉しい。

わたしに触れる手はどこまでも優しくて、かけられる言葉は砂糖菓子のように甘い。


けれどわたしにはひとつだけ心配事があった。

そうーーーーーー

斯波家にとってのわたしの存在だ。
< 187 / 192 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop