よくばりな恋
「翠は気にすることない。反対されたら家を出るだけやし」
「そんなこと言って・・・・・」
珍しく仕事から早く帰ってきた先生と、食卓に一緒に着いて話す。
「次の日曜日、オレ休みやから一緒に実家行こう。連絡入れとくわ」
テーブルの向こうから心配するなというように先生が頭を撫でる。
もし交際を反対されたら、この手を離せないわたしはどうしたらいいんだろう・・・・・・・・・・。
色々とひとりで考えてるうちに、あっという間に日曜日になってしまった。わたしが暗くなりがちなのと対照的に先生はどこか気楽だ。
「あら、やっと王子様捕まった?」
おばさまがケラケラと笑う。
「オヤジは?」
「リビングで新聞読んでるフリしてるわ」