よくばりな恋

紗英が寝落ちした後、小動物のように動き回る彼女を、多少の揶揄いもこめて、そばに引き寄せた。自分のテリトリーの中に閉じ込めて、ホントに何もかもが小さいことに改めて驚く。


「海斗、翠ちゃんのこと遊び半分に手を出したら紗英だけやなくてぼくも怒るよ」


2人で飲んでいると、健太郎に釘をさされた。健太郎まであの子を大事にしてるのか。



「苦労してるのにおくびにも出さない強い子なんだよ。それでいて優しいし。ぼくたちはあの子に幸せになって欲しいんや」

「大丈夫だよ。オレ、別に誰にでも手をだすキチクちゃうし」

「ぼくは海斗と翠ちゃんがまとまってくれたら嬉しいけどね」



少し興味は持ったけれど、それが恋愛感情に変化するかというとそれはどうなんだろう？