よくばりな恋
仕事なのでより好みはいえないけれど、少しホッとした。




12時すぎ、妊婦さんの栄養指導を終えて昼食のため部屋にもどろうと、受付などのあるロビーを歩いていたら



「廣田さん」



後ろから声をかけられた。



振り向くとニガテで避けた滝川さん。
もうすっかり涼しいというのに、汗をかきながら165センチほどの身長に100キロ超の身体を揺らしてわたしの方へ向かってくる。

「廣田さんに食事療法を指導してもらえるって楽しみにしていたのに、今日は予定が合わないて他の方でガッカリしたんですよ」

「申し訳ありません。けれど野口はわたしより優秀でキャリアのある栄養士ですし、わかりやすかったでしょう？」
できるだけ笑顔が強ばらないように答える。
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