よくばりな恋
そのうち諦めたのか、だんだんキスを受け入れ始め、オレもだんだん深いキスをしてしまう。
途中で翠が胸を叩くけれど許してやれず、余計に深くなる。とうとう翠が胸を強く押すので離したら、息継ぎがわからないという。
28歳処女はキスの経験もないらしい。
そのまま胸に閉じ込めて、背中を撫でてやる。なんだか気持ちが穏やかで暖かい。無粋な病院からの電話が無ければ、ずっとあのままだったかもしれない。
仕事を終えて家に帰ると、当然翠の姿はなく、ダイニングテーブルの上に翠が握ったおにぎりが3つ。そういえばメールが入ってたなと思い出す。
キッチンはきれいに片付けられ、おそらく触られたくないだろうと考えた本や服はそのままに。翠の几帳面な性格がでている。