よくばりな恋


寝室に入って、少し驚く。ベッドメーキングがされていた。何時に帰ってくるかわからないオレを気遣ったのだろう。


参った・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



仕事が忙しく、なかなか翠と接触できない当直明けのオレの耳に看護師たちの噂話が入ってきた。

「そうそう、内科に新しくきた藤原先生がね、非常階段のところで口説いてはったの」

「ええーっ病院内でだいたーん!」

よりによって立ち聞きされるなんて、ウカツなヤツだなと思いながら、カルテを入力していた。

「相手だれ?」

「ほら、あのちっちゃい栄養士さん。廣田さんだっけ?口説かれて真っ赤になってはって可愛いいったら」

「廣田さんか〜。たしかに可愛いよねぇ」





< 98 / 192 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop