あなただけの特別な私
「……ん…」
すごくふかふか…。
私の布団ってこんなにもふかふかだったけ?
私はうっすらと目を覚ます。
その時。
「きゃぁ!」
後ろから手が私の腰に触れた。
私は自分しかいないと思ってビックリしすぎて布団から飛び起きた。
するとベットには…。
「おはよー」
「……誰!?」
サラサラそうな寝癖のついた金色の髪に深い深い海の底が光に照らされたようなナイトブルーの瞳、すべてが美で整う顔のパーツ。
まさにイケメンの私と同い年ぐらいの男の子がベットに私をニコリと微笑みながら見つめてくる。
不覚にも私は心をときめかせてしまった。
「いやー肌すべすべで抱き心地良かったよ。君抱き枕になれるんじゃない!」
「…………は?」
「大丈夫。さすがに寝てる君には手を出してないから」
「いや、当たり前だよ!イケメンだからってすべて許される訳じゃないし!!ていうか、誰!?ここどこ!?」
よく見渡せば…いや、よく見渡さなくても私は見知らぬ部屋にいた。
その部屋は私のへやを4個分ぐらい広く、灯りがシャンデリアっていう何からなにまで高そうな家具ばかりだ。
私はこんなとこしらない。
「僕はこの国、ファートフースの王子であり次期国王のシャイル=リクシオル。」
「……」
「………僕知らないの!?異国の者にしろ、それはないよ…!」
ファートフースってどこだよ。
そういえば…、昨日の不審者が言ってた魔法界っていう世界の国?
そしてその王子?
私はとんでもないとこにきてしまったようだ。
「まぁいいや。こんなにかわいいなら。」
「っ!?」
腕を掴まれベットにもどされ、押し倒される。
なにこいつ…!?
シャイルの顔と私の顔の距離が近づく。
「や……めろっっ!!!!!!」
――ドンッ!
「ぐはっ!!」
手を押さえられてた私は足を使いシャイルを力あるかぎり蹴った。
王子だろうがなんだろうがしらない。
私のファーストキスを奪われてたまるか!
「…み、みぞおち……、そこまでしなくても…」
「あなたのせいだから!!」