キミが教えてくれたこと


「へぇー、うっまそー!」


机に並ぶグラタン、サラダ、スープを見てハルトは感心していた


『…別に、普通でしょ』


茉莉花はパスタにご飯をあげながら少しの気恥ずかしさを隠した


「いやー!すげぇよ!一人暮らしだから卵かけ御飯とかそういう簡単なものかと思ってたわ!」


『アルバイト先がイタリアンカフェで…、食材とか分けてくれたりたまに自分でまかない作ったりしてるから…』


へぇー!すげー!と机の上の夕食をマジマジと見ている


『…あなたは、お腹空かないの?』


「ん?ああ、俺は死んでるしな!」


屈託のない笑顔でそう告げられたが何と返せばいいか分からず、茉莉花は手を合わせて「いただきます」と言うと食事を始めた


「生きてたら茉莉花の飯が食えたのになー」と言うハルトに少し切なくなった



『…電気…消すよ?』


ご飯を食べてお風呂に入り、髪の毛の水分が落ち着くまで宿題をして寝床に向かうと寝室にあるベランダからハルトは空を見上げていた

お風呂に入ると告げると、星を見ていいかと聞かれベランダを案内してからずっとそこにいる

春の温かさと夜の静けさが入り混じり、切ない様なあたたかい気持ちになる様なそんな季節

まだベランダから入る風が少しだけ冷たい



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