コワレモノ―人類最後の革命―
「…ここは…」
姫乃の顔色が変わる。学校を出てから約五分…で行けるところを、今日は十五分ほどかかって歩いた。
「見覚えがあるってことは、下見には来てたみたいね」
「うん。ここが一番やりやすそうだったからね」
そう。私と姫乃が来ているのは…私の四肢がもぎ取られた、その現場となった交差点である。車が絶えず行き交い、信号もちゃんと点灯している。センターラインはしぶきで見えづらくなっており、あの日よりも事故が起きやすそうだった。
「…ここで、私は夢を壊されたの。希実達にね」
「ちゃんと実行してたんだ」
「でも、本当の黒幕は…」
「そう、私だよ」
姫乃の顔には、まだ余裕があった。拳を強く握る。
「…何で?」
「え?」
「何であんなことしたの!?」
「う~ん、どうだったかな…」
「ふざけるのもいい加減にして!」
その一瞬で喉が使い物にならなくなってしまうほど、叫び声は大きかった。
「自分のしたことがどれだけ重いことか分かってるの!? 姫乃のせいで、私の夢が壊されたんだよ!?」
「それが?」
「…うぅあぁぁぁぁぁぁぁ!」
私は姫乃の肩を掴み、車道の方を向いた。そして今この体に宿る全ての力を両腕にこめた。
「私は! 私はこんなことになるために産まれて来たんじゃないの! 私は不平等の材料じゃないの!」
足元が滑りそうになり、慌てて脚にも力を入れる。姫乃も負けじと、私の肩を掴み、必死に押し戻そうとしていた。私の顔に水分を感じる。これは汗か、雨か、涙か。そんなことなんて、分かるわけがなかった。
姫乃の顔色が変わる。学校を出てから約五分…で行けるところを、今日は十五分ほどかかって歩いた。
「見覚えがあるってことは、下見には来てたみたいね」
「うん。ここが一番やりやすそうだったからね」
そう。私と姫乃が来ているのは…私の四肢がもぎ取られた、その現場となった交差点である。車が絶えず行き交い、信号もちゃんと点灯している。センターラインはしぶきで見えづらくなっており、あの日よりも事故が起きやすそうだった。
「…ここで、私は夢を壊されたの。希実達にね」
「ちゃんと実行してたんだ」
「でも、本当の黒幕は…」
「そう、私だよ」
姫乃の顔には、まだ余裕があった。拳を強く握る。
「…何で?」
「え?」
「何であんなことしたの!?」
「う~ん、どうだったかな…」
「ふざけるのもいい加減にして!」
その一瞬で喉が使い物にならなくなってしまうほど、叫び声は大きかった。
「自分のしたことがどれだけ重いことか分かってるの!? 姫乃のせいで、私の夢が壊されたんだよ!?」
「それが?」
「…うぅあぁぁぁぁぁぁぁ!」
私は姫乃の肩を掴み、車道の方を向いた。そして今この体に宿る全ての力を両腕にこめた。
「私は! 私はこんなことになるために産まれて来たんじゃないの! 私は不平等の材料じゃないの!」
足元が滑りそうになり、慌てて脚にも力を入れる。姫乃も負けじと、私の肩を掴み、必死に押し戻そうとしていた。私の顔に水分を感じる。これは汗か、雨か、涙か。そんなことなんて、分かるわけがなかった。