コワレモノ―人類最後の革命―
「渡辺」
渡辺は、姫乃の病室にいた。
「ん?」
「ちょっと、来てくれない?」
「何だよ、夢壊しは終わったんじゃないのか?」
「…終わったよ。でも、まだ完全な平等にはなってない」
「そういうことは黒田に頼めよな」
「もう頼んでるから渡辺にも頼んでるの」
「何だよ、俺は二番手ってか?」
「でも、渡辺は私の考えに賛同してくれた最初の人でしょ?」
「一応、な」
「咲羅ちゃん、どういうこと?」
「…渡辺、夢壊しに協力してくれてたの。やられたらやり返すべきって、私と同じことを考えてたの」
恐らく渡辺は、私の腕と脚を繋ぎとめることができなかった自分の父親のことも負い目に感じていたのだと思う。その罪滅ぼしという面も、もしかしたらあるのかもしれない。だけど、それは聞いちゃいけないような気がした。人間誰しもが持っている「聞いちゃいけないこと」が、渡辺の場合はそれなんだと思う。
「で? どこ行くんだ?」
「駅前のネットカフェ」
「何でそんな所に?」
「詳しい話は、着いてから説明する」
渡辺の車いすを押し、病室を後にする。そしてバスに乗り、ネットカフェへと戻った。
「じゃあ、この部屋にいて。右が黒田の部屋だから」
「おう」
渡辺が部屋に入る。
「来たか、渡辺」
「何してんだ、黒田?」
「そのうち分かる」
「何だよそれ?」
「じゃあ…渡辺、今世界で空いてる最も広い土地はどこか、調べてくれないか?」
「そんなこと調べて何するんだよ?」
「そこを、世界の中心にする」
渡辺は、姫乃の病室にいた。
「ん?」
「ちょっと、来てくれない?」
「何だよ、夢壊しは終わったんじゃないのか?」
「…終わったよ。でも、まだ完全な平等にはなってない」
「そういうことは黒田に頼めよな」
「もう頼んでるから渡辺にも頼んでるの」
「何だよ、俺は二番手ってか?」
「でも、渡辺は私の考えに賛同してくれた最初の人でしょ?」
「一応、な」
「咲羅ちゃん、どういうこと?」
「…渡辺、夢壊しに協力してくれてたの。やられたらやり返すべきって、私と同じことを考えてたの」
恐らく渡辺は、私の腕と脚を繋ぎとめることができなかった自分の父親のことも負い目に感じていたのだと思う。その罪滅ぼしという面も、もしかしたらあるのかもしれない。だけど、それは聞いちゃいけないような気がした。人間誰しもが持っている「聞いちゃいけないこと」が、渡辺の場合はそれなんだと思う。
「で? どこ行くんだ?」
「駅前のネットカフェ」
「何でそんな所に?」
「詳しい話は、着いてから説明する」
渡辺の車いすを押し、病室を後にする。そしてバスに乗り、ネットカフェへと戻った。
「じゃあ、この部屋にいて。右が黒田の部屋だから」
「おう」
渡辺が部屋に入る。
「来たか、渡辺」
「何してんだ、黒田?」
「そのうち分かる」
「何だよそれ?」
「じゃあ…渡辺、今世界で空いてる最も広い土地はどこか、調べてくれないか?」
「そんなこと調べて何するんだよ?」
「そこを、世界の中心にする」