コワレモノ―人類最後の革命―

空港に戻り、飛行機に乗る。まだそこまで騒ぎにはなっていないようだ。

「日本に帰ったら、多分大変なことになってるだろうな」
「ちゃんと帰れる？」
「大丈夫だろ。もう俺らは乗ったんだ。まだ『あの方』のことを敵だと各国政府が思ってるうちは、降ろしてくれるはずだ」

そして再び飛行機は飛び立ち、海の上を渡り、日本の空港の滑走路に着地した。

「降りるぞ、尾所」

黒田に起こされる。

「え？　もう着いたの？」
「お前、寝すぎ」
「はいはい、悪かったですね～」

荷物を持ち、飛行機から降りる。キャリーバッグを受け取り、検疫検査をすると…目の前に、とんでもない光景が広がっていた。

「何、これ…」

空港内は、人で溢れていた。

「麻衣、どこだ～！？」
「飯尾さん、いるなら返事して下さい！」
「住吉～！」

よく聞くと、彼らは誰かの名前を呼んでいた。

「これ…どういうこと…？」
「早速大騒ぎになってるみたいだな」
「え？」
「全ての国家に宣戦布告のメールが送られるようにプログラミングしておいたんだ。今のこの格差社会を潰す、ってな」
「そんなことしてたの？」
「そうしないと、誰も『あの方』の存在に気づかないだろ」
「まあ、そうだけど…」

私達は人混みをかき分け、空港を出た。しかし、外も外で大混乱に陥っていた。