コワレモノ―人類最後の革命―

二人はしばらく歩き、とある民家の前で立ち止まった。

「へ～、ここが美麗の家か…」
「は、はい！？」

思わず部屋で大きな声を出してしまった。

「うん。入ろ」
「ちょ、ちょっと待てって。大丈夫…なのか？」
「大丈夫だって」

百瀬さんは渡辺の腕を掴み、ドアを開けた。このようなことが出来るのも、ただ持って生まれただけの美貌を振りかざせるからこそ可能なのだろう。

「ねえ」
「ん？」
「こっち来て」

百瀬さんは…ベッドに横たわっていた。ここから先の映像を直視できなかったことは、言うまでもないだろう…。

翌日。

「渡辺」
「ん？」
「あの動画…何？」
「あ、あれはだな…」
「『途中から楽しんでました』って、顔に書いてる」
「はいはい、すいませんでした。それで…どうだ？」
「う～ん…何となく、作戦は思いついたかな」

だが、その「作戦」を実行するのには、かなりの時間がかかる。

まず、今回は渡辺以外の協力者が必要となる。百瀬さんの「愛人」ではいけないのだ。

サイトを見る限りでは、クラスのほとんどの男子が「愛人」と化している。この状況では…成功しない。