コワレモノ―人類最後の革命―
体力を壊す
その日、裏サイトにも変化が訪れた。

裏サイトには、このサイトに登録している人数も表示される。全校生徒が六百人ほどの中、今まで裏サイトに登録していたのは、せいぜい数十人。それが…。

「えっ!?」

帰宅してサイトを見てみた私は、部屋の中で一人、小さく叫んだ。

「登録者数…五百八十二…?」

登録者数が何倍にも膨れ上がっている。

「…あの噂のせいかな…」

とあるクラスの生徒を、裏サイトを使って次々に転校させている人物がいる。私のクラスから広まった噂は、瞬く間に全校に広がった。

下手に動くと、私だということがばれてしまうかもしれない。そうなると面倒だ。最悪の場合、夢壊しを中断してしまうことになりかねない。それは、普遍の原理に反する。

人間は、同じ生物として産まれた以上平等なのだから。

「さてと…」

とにかく、今は新たな依頼がないかのチェックだ。依頼された夢壊しを実行すると、ネット上での私の頼みごとも聞いてもらえる。もちろん、あの時一緒にいた六人の中の誰かじゃないと夢壊しはしないが。

「お、来てる来てる」

今度の依頼は…「ブラック・カーゴ」つまり黒田からの投稿だった。

「夢壊しの依頼です。桑田迅奈(クワタ・ハヤナ)の夢壊しをお願いします」

黒田らしい、シンプルな投稿だった。迅奈も、あの時一緒にいた六人のうちの一人だ。徹底的に、潰す。
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