コワレモノ―人類最後の革命―
迅奈は、学校ではほとんど自由な時間がない。よく用事を頼まれているのを、私も見ている。

だから、このゲームで思う存分楽しんでいるのだ。

私の夢壊しは、結局のところ相手の精神を追い込むということで成り立っている。しかも、相手はあの迅奈だ。身体的に追い詰めるなんて、私には天地がひっくり返り、南極の氷が全て溶け、なおかつサハラ砂漠に大雨が降っても無理だ。

それならどうするか。答えは一つ。

迅奈の癒しを、消す。

「あ、そうだ」

私は攻略サイトを開き、その内容をメモした。結構量が多かったので、写すのに十分ほどかかってしまった。

「…あれ?」

そしてゲームに戻った時、迅奈はすでにゲームをやめていた。できればもう少し、色々と話を聞いておきたかったのだが。

翌日。

「はい、これ」

私は、黒田にメモを手渡した。

「これだけあれば十分でしょ?」
「おう。サンキューな」
「じゃ、私のスレに来て…って言いたいところなんだけど、実はもう大まかな作戦は立ってるの」
「よかったじゃん」
「だから、黒田にはその手伝いをしてほしいの。渡辺にも手伝ってもらうことになるけど…いい?」
「何で俺が手伝うことになってんだ?」

後ろから、渡辺の声がした。
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