コワレモノ―人類最後の革命―
「別にいいでしょ?」
「…まあな」
「なあ、お前らって何か関係あんのか?」
「う~ん…」

黒田にも話しておくべきなのか。私は悩んだ。黒田は、今は私の協力者だ。だけど…もしかしたら、ここから先黒田が裏切るという可能性もなきにしもあらず。「完全な平等」を求めているとはいえ、私とは別にその世の中を実現しようとするかもしれない。

「ああ、実はな」

何ともないような調子で秘密を暴露しようとする渡辺の口を、私はとっさに手で押さえた。

「…黒田にも、同じくらい重要な秘密があるなら答える」
「残念なことに、今のところそんなのはないな」
「で? お前が考えた作戦ってのは?」
「うん…」

私は、二人に作戦を説明した。

「なるほどな…」
「これなら、多分大丈夫だと思うけど」
「一回やってみるか」
「じゃあ、放課後ね」

全ての授業が終わるチャイムが鳴った。

クラスメートは、授業から解放され自由の身となったひと時を楽しむ。部活に行く者もいれば、どこから湧き出るのかも分からない元気さで楽しそうに帰宅する者もいる。

その後者の迅奈は、ハマっているゲームをするべくカバンを持って階段を降りようとしていた。

「迅奈」

そんな迅奈を、私達は呼び止めた。

「何?」
「ちょっと手伝ってほしいことがあるんだけど…」
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