コワレモノ―人類最後の革命―
私が義肢によって日常生活を取り戻したのは、もう雪がちらつく頃だった。

「咲羅、おはよー」

かなりの間休んでいたのだが、クラスメート達は幸いなことにあまり質問をせずにいてくれた。正直なところ、こういうのは面倒だ。だから先生にも、私が義肢であることは内緒にしておいてほしい、と言っておいたのだ。

「咲羅、大丈夫?」

この女、上原希実を除いては。

「ちょっと、ここじゃあんまりそういう話はしないでって言ったじゃん…」

声を小さくして、希実にだけ聞こえるように話す。

「あ、ゴメンね。…ちゃんと、普通に腕と足ついてるじゃん」
「人の話聞いてた?」
「だって、スゴく自然だからびっくりしちゃって…」

最近の科学技術の進歩は目覚ましく、それは私の義肢を見ても分かる。激しい運動こそできないものの私の意のままに動くし、見た目だってかなりリアルだ。

「これだったら、またモデル目指せるかもね」

だからって…そういうことじゃない。希実は、全然分かってない。

「大丈夫だって。咲羅なら絶対なれる。頑張ってね」

なれない。

「まだ、希望はあるから」

何でこんなにポジティブでいられるのか、私には分からなかった。

…希実が、鬱陶しい。そう感じ始めていた。

そんな折に、あのサイトを見つけたのは必然だったのかもしれない…。
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