コワレモノ―人類最後の革命―
「じゃあ、見せてみて」
相変わらず無感情な才夏に言われ、私は再びパソコンへと向かった。さっきとは違い、ここにいる皆の視線が私に向けられている。新たな緊張の中、私は今度は妨害されることなく、先生のパソコンに入り込んだ。
「あとは才夏が入り込んだ形跡を探せたら…」
先生のパソコンの内部のデータを分析する。するとそこには、予想通りハッキングの跡があった。
だが、それは普通はただのアルファベットや数字の羅列にしか見えないし、どこが異常なのかを見分けることもできない。ある程度こういう機械について知っている人物じゃないと分からないのだ。
「まだなの?」
平坦な才夏の声が、むしろ感情のこもったそれよりも焦りを募らせていく。
「黙ってて…」
焦る気持ちを押さえようと、私まで無機質になってしまう。才夏に近づくようで嫌だったが、その甲斐あってどうにか方法を見つけ出した。そこまでの道のりは、果てしなく長いものだったが。
「接続は…ここでよかったよね…」
言い聞かせるように呟きながら、私は偽の指でキーを叩く。こんなに早くキーを動かしたのは初めてだった。皮肉なこともあるもので、私は四肢を失うことで、疲れをも消せるようになっていたのだ。
「よし…!」
あと一歩のところまで来た。もう授業時間なんてものは無視だ。外にまでここの状況は知られているらしく、ドアの向こう側で先生達がざわついているのが聞こえる。窓からは夕日…ではなく暗い曇天が見えていた。この様子だと、明日は雨だろう。
「皆」
「ん?」
「これが…証拠よ」
相変わらず無感情な才夏に言われ、私は再びパソコンへと向かった。さっきとは違い、ここにいる皆の視線が私に向けられている。新たな緊張の中、私は今度は妨害されることなく、先生のパソコンに入り込んだ。
「あとは才夏が入り込んだ形跡を探せたら…」
先生のパソコンの内部のデータを分析する。するとそこには、予想通りハッキングの跡があった。
だが、それは普通はただのアルファベットや数字の羅列にしか見えないし、どこが異常なのかを見分けることもできない。ある程度こういう機械について知っている人物じゃないと分からないのだ。
「まだなの?」
平坦な才夏の声が、むしろ感情のこもったそれよりも焦りを募らせていく。
「黙ってて…」
焦る気持ちを押さえようと、私まで無機質になってしまう。才夏に近づくようで嫌だったが、その甲斐あってどうにか方法を見つけ出した。そこまでの道のりは、果てしなく長いものだったが。
「接続は…ここでよかったよね…」
言い聞かせるように呟きながら、私は偽の指でキーを叩く。こんなに早くキーを動かしたのは初めてだった。皮肉なこともあるもので、私は四肢を失うことで、疲れをも消せるようになっていたのだ。
「よし…!」
あと一歩のところまで来た。もう授業時間なんてものは無視だ。外にまでここの状況は知られているらしく、ドアの向こう側で先生達がざわついているのが聞こえる。窓からは夕日…ではなく暗い曇天が見えていた。この様子だと、明日は雨だろう。
「皆」
「ん?」
「これが…証拠よ」