コワレモノ―人類最後の革命―
流行を壊す
「ねぇ、見た? 今週の『non-non』見た?」
「見た見た。また出てたよね~」
女子の方が多い私のクラスでは、ファッション誌を持ってくることがほぼ当たり前になっている。流行の服やコーディネートを見て、止まらないトークを始めるのだ。
その中でも特に持って来られているのが、「non-non」というファッション誌。元々私達くらいの年代をターゲットにしているのでウケがよく、そして何より…。
「ほら、ここの茉湖ちゃんとかめっちゃカワイくない?」
クラスメートの一人、雨元茉湖(アメモト・マコ)がモデルとして誌面に載っているのだ。
「おっはよ~」
噂をすれば影、とはよく言うもので、いつも茉湖は自分の話がされているタイミングで登校してくる。
「あ、茉湖ちゃ~ん!」
にわかに茉湖の方に人だかりができる。
「今週も載ってたね~」
「ありがと、見てくれて」
「いいな~、私も茉湖ちゃんみたいにモデルやりた~い」
こんな感じで、クラスメートからの人気は群を抜いている。だが、私の目には茉湖はそんな風には映っていなかった。
ただ、夢壊しの対象として。それだけだった。
「尾所」
渡辺が小声で呼ぶ。
「アイツ…夢壊しの対象なのか?」
「うん。あの時一緒にいたし」
「じゃあ、黒田に書いてもらうわ、依頼。依頼がないと動きたくないんだろ?」
「見た見た。また出てたよね~」
女子の方が多い私のクラスでは、ファッション誌を持ってくることがほぼ当たり前になっている。流行の服やコーディネートを見て、止まらないトークを始めるのだ。
その中でも特に持って来られているのが、「non-non」というファッション誌。元々私達くらいの年代をターゲットにしているのでウケがよく、そして何より…。
「ほら、ここの茉湖ちゃんとかめっちゃカワイくない?」
クラスメートの一人、雨元茉湖(アメモト・マコ)がモデルとして誌面に載っているのだ。
「おっはよ~」
噂をすれば影、とはよく言うもので、いつも茉湖は自分の話がされているタイミングで登校してくる。
「あ、茉湖ちゃ~ん!」
にわかに茉湖の方に人だかりができる。
「今週も載ってたね~」
「ありがと、見てくれて」
「いいな~、私も茉湖ちゃんみたいにモデルやりた~い」
こんな感じで、クラスメートからの人気は群を抜いている。だが、私の目には茉湖はそんな風には映っていなかった。
ただ、夢壊しの対象として。それだけだった。
「尾所」
渡辺が小声で呼ぶ。
「アイツ…夢壊しの対象なのか?」
「うん。あの時一緒にいたし」
「じゃあ、黒田に書いてもらうわ、依頼。依頼がないと動きたくないんだろ?」