コワレモノ―人類最後の革命―
パソコンを開き、カメラの映像を見る。

「早く…」

茉湖がスタジオから出てきた。予定では、すぐ後ろに須戸さんが出てくることになっている。

「あ、出てきた…」

予定通り、すぐ後ろに須戸さんが歩いてきた。次のステップは、茉湖が須戸さんに気づくこと。

「須戸さん、何してるんですか?」

茉湖が須戸さんの方を振り返る。

「別に」

須戸さんがそう言うと、茉湖は再び歩き出す。だが、須戸さんも再び茉湖の後ろについていく。

「何でついて来てるんですか?」
「別に」

何度かその流れを繰り返す。

「須戸さん」

茉湖が立ち止まり、振り返った。

「何でそんなに私のこと追いかけてきてるんですか? 前からずっと気になってたんですが…ストーカーですよ、それ」
「…茉湖」

須戸さんがゆっくりと茉湖の方へと歩き出す。おびえる茉湖。

「な、何なんですか…」
「茉湖…!」

突然、須戸さんは茉湖を抱きしめた。

「ちょっ…何するんですか!?」
「君がモデルになった時から、ずっと好きだった! このまま抱かせてくれ!」
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