コワレモノ―人類最後の革命―
…来た。私の話題になった。

だが、ここで動揺してはいけない。少なくとも、このサイト上では。私が「コワレモノ」だということは、バレてはならない。

希望者さんのコメントも、それに続いた。

「あ~、来てましたよね。何か、今日は無口でしたよ」

こういう場合、私も他人のふりをしてコメントをしないと怪しまれてしまう。

「ケンカ? というよりは、上原希実のことを嫌がっていたような気がします」

…思いっきり変な情報を喋ってしまった…。他人のふりをするのは、やっぱり難しい。

だが、思いがけない返信が来た。

「そもそも、上原希実って日頃から鬱陶しいですよね」

乙骨さんのコメントに続き、他の人達も次々とコメントをした。

「乙骨さんに同意です。やたら『まだ大丈夫』とか何とか言ってきて、正直鬱陶しいです」
「こっちは大丈夫じゃないのに言ってくるのが迷惑で…」

皆、希実の鬱陶しさを前々から思っていたらしい。

「ひと泡吹かせてやりたい、って思う時もありますよね」
「あ~、それ分かります!」
「誰か、いい作戦思い浮かびます?」

その時、私は思った。

私は、恐らく道路に「突き落とされた」のだ。背中を押された感覚が、今でも残っている。だとしたら、犯人は私と一緒に歩いていたあのメンバーということになる。その中には当然、希実もいる。

…復讐のチャンスなんじゃないか?

私は「私、やってみます」というコメントを書いていた。
< 7 / 120 >

この作品をシェア

pagetop