コワレモノ―人類最後の革命―
「話は最後まで聞け。…そのサイトは書き込み式の掲示板になっているのだが、その中にこんなメッセージがあった」

そう言うと先生はプロジェクターとパソコンを出し、電気を消した。そして何やらパソコンを操作すると、プロジェクターに裏サイトの、それも私のスレッドの一部分が映った。

「ここを見てくれ」

先生が指さしたのは、乙骨、つまり結那の依頼コメントだった。

「この乙骨という人物が、今までに転校して行った百瀬や桑田など、全ての人物を『夢壊し』してくれと頼んでいる」

先生は私達の方に向き直って言った。

「手を上げなさい、乙骨。手を上げるまで、いつまでもこの時間は続くぞ」

先生に見つからないように結那の方を見る私達四人。結那は周りにカモフラージュするように、周りをきょろきょろ見回していた。

「誰だ~」

先生の口調にいら立ちが見え始める。こうなると、先生の怒りスイッチはもう入っている。

「手を上げろ~乙骨~」

靴が教壇を鳴らす。その微妙に早いリズムが、緊迫感を作りだし、充満させる。

「誰だと聞いているんだ!」

ついに先生の怒号が飛ぶ。教卓に席が近い私は、その声の大きさに思わず耳を塞いだ。

「こんなことをして何とも思わないのか! この人でなしが! お前には心がないのか!」

先生の拳が黒板を殴る。先生は痛みすらも感じないほどに怒っているのだろうか、何度も何度も叩いている。

「それに、情報を出さないお前らもお前らだ!」

そしてその怒りの矛先は「乙骨」以外にも向けられた。
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