コワレモノ―人類最後の革命―
侍女を壊す
「…何、これ…」

慌てて黒田からスマホを取り上げ、投稿者を確認する。

「…結那…」

投稿者は、乙骨だった。…だが、結那は今スマホをいじっていられる場合じゃない。だとすると…。

「俺には見当がついてるけどな」

いつの間にか、後ろに渡辺がいた。

「ちょっと…心臓に悪いじゃない…」
「言うほどでもないと思うけどな」
「で? 見当ついてるんでしょ? 誰なの、犯人?」

渡辺は少し考えるような顔をして、それから息を少し吸って、吐いてから言った。

「…坪根だ」
「えっ…」
「坪根姫乃」
「…じゃあ、結那の乙骨って…?」
「恐らく、影武者だろ。さっきの授業で、全部を終わらせるつもりだったんじゃないか?」
「じゃあ、何で…?」
「気が変わった、ってやつだろうな」
「気が変わった?」
「影武者として君川を使って自分はことなきを得たが、まだ何か重要な目的を達成できていなかった…。だから、乙骨を復活させて、再びお前に夢壊しをさせようってことだと思う」

確実に、矛先は私に向けられていた。

私の夢壊しは、次なる章へと突入したのだった。

私の腕と足をもぎ取った実行犯を処刑したら、次はその上に隠れている、指示をした人間に制裁を下す。

今までと同じく、夢を壊さなければならない。

人間は、平等なのだから。
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