コワレモノ―人類最後の革命―
「おいおい、早速かよ!」
「どうするんだよ、尾所!?」
「ちょっと黙ってて!」
作戦を考えるが、その間にも先生はどんどん近づいてくる。
「いるなら返事しろ~」
声の聞こえ具合から察するに、先生との距離は七、八メートルほど。
「…こっち来て!」
何も思い浮かばなかった私は、とっさに二人の手を掴み、階段を駆け上がった。
「誰だ!?」
当然先生には気づかれてしまう。先生の足音が格段に速くなる。
「おい、どこ行くんだよ!?」
「黙っててって言ったでしょ!」
義手だというのに二人を引っ張るには十分な力が出るし、義足だというのに先生から逃げるには十分な速さが出る。もしかしたら、私の体は私の元の体よりハイスペックになったのかもしれない。
「待て!」
階下に声が響く。このまま逃げていても、いつかは見つかってしまう。
「はぁ、はぁ…」
息も荒くなる。この辺りで隠れなければ…。
「こっち来て!」
私は二人を、女子トイレへと連れ込んだ。そしてドアを閉めると、隅の方に隠れた。
「ここなら大丈夫でしょ。先生は男だから、ここには入ってこないはず」
「…俺らは?」
「…大丈夫よ、ちょっとくらい。どうせ先生はいなくなるんだし」
トイレの前で足音がやんだ。かと思うと、また速い足音が遠くに消えて行った。
「どうするんだよ、尾所!?」
「ちょっと黙ってて!」
作戦を考えるが、その間にも先生はどんどん近づいてくる。
「いるなら返事しろ~」
声の聞こえ具合から察するに、先生との距離は七、八メートルほど。
「…こっち来て!」
何も思い浮かばなかった私は、とっさに二人の手を掴み、階段を駆け上がった。
「誰だ!?」
当然先生には気づかれてしまう。先生の足音が格段に速くなる。
「おい、どこ行くんだよ!?」
「黙っててって言ったでしょ!」
義手だというのに二人を引っ張るには十分な力が出るし、義足だというのに先生から逃げるには十分な速さが出る。もしかしたら、私の体は私の元の体よりハイスペックになったのかもしれない。
「待て!」
階下に声が響く。このまま逃げていても、いつかは見つかってしまう。
「はぁ、はぁ…」
息も荒くなる。この辺りで隠れなければ…。
「こっち来て!」
私は二人を、女子トイレへと連れ込んだ。そしてドアを閉めると、隅の方に隠れた。
「ここなら大丈夫でしょ。先生は男だから、ここには入ってこないはず」
「…俺らは?」
「…大丈夫よ、ちょっとくらい。どうせ先生はいなくなるんだし」
トイレの前で足音がやんだ。かと思うと、また速い足音が遠くに消えて行った。