コワレモノ―人類最後の革命―
「全く、危ない所だった…」
「…ってかまず、ここから出ないとだろ?」
「いや、下手に出たらまたさっきと同じことになるから…しばらくここにいよう」
「また御冗談を」
「本気よ?」

二人は豆鉄砲を食らったように固まっていた。

「さてと、じゃあ作戦を説明するけど…って、大丈夫?」

女子トイレにこもるということに拒絶反応を示しているのか、二人は少しばかりグロッキー状態になっていた。

「女子トイレにこもるとか…ないわ…」
「同じく…」
「ちょっと、時間がないんだから説明させてよ!」
「ご勝手にどうぞ…」
「吐いていい…?」
「はぁ…」

男子とは女子トイレに入ってみたいというピンク色の願望を持っている生き物だと思っていたのだが、どうやらトイレはノーサンキューらしい。

「ちゃんと聞いてよ!」
「はいはい…」
「やる気あるの?」
「ありますよ…」
「一回しか言わないから、絶対失敗しないでよ」

協力すると言ったのは二人なのに、こうなってしまうとは…。私の方が気を病んでしまいそうだ。

「…とりあえず、渡辺はチャイムが鳴ったらすぐに職員室に教室の鍵を取りに行って。職員室にはこのことを知ってる先生は多分いないから、普通に取れると思う。で、鍵を開けて教室に入ったら、入り口近くに私が銃を持って待機しとく」
「銃?」
「夢壊しのために、色々持ってるのよ」

私は制服の内ポケットから、弾が一発しか入っていない銃を取り出した。
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