コワレモノ―人類最後の革命―
「…えっ…?」
「どうした?」
「今…何て?」
「…あ、夢壊しのことか? 俺らは復讐のことをそう呼んでるんだ」
「夢壊し…」

夢壊し…夢を壊す…復讐…三人…「どうにもならない」…平等…四肢がない…尾所咲羅…。

コワレモノ…。

「…ふふっ…」
「おい、どうした?」
「ふふふふふ…」
「尾所?」
「ははははは!」

どうしようもないくらいに笑いがこみ上げてきた。私は何かに取りつかれた、あるいは気が狂ったかのように高らかに笑った。

「…大丈夫か?」
「ははは…ふふふ…!」

あんな大事なことを忘れていたなんて、馬鹿にもほどがあるな、私。

「尾所!」
「はは…ふふ…ふ…」

私は二人の顔を見て、言った。

「月見の現段階の情報、覚えてる限り教えて。あと渡辺、戻ったってよろしく言っといて」
「…尾所…!」
「何目をうるうるさせてるの? さっさと行ってきなさいよ」
「…おう!」

渡辺は袖で涙を無造作に拭うと、病室の外へと走っていった。

「…で、黒田」
「…」
「何、黒田まで泣いちゃって…。そんなに心配すること?」
「そりゃ心配するだろ。俺達は、三人全員のためにやってるんだから。一人でもいなくなったら、やる意味なくなるだろ」
「…それもそうね」
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