コワレモノ―人類最後の革命―
「でもね…」
月見がポケットに手を突っ込む。
「ここで終わるわけにはいかないの。そのための準備も、もうしてるから」
「…え?」
月見は、ポケットから一丁の拳銃を取り出した。他でもない。私が持っていた、あの銃だ。
「言ってくれたんだ。尾所咲羅が邪魔をするなら、殺しても構わないって」
「ちょっと…」
銃口は黒滔々としており、小さいながら見ていると吸い込まれそうになる。少し視線を下にずらせば、月見の人差し指が引き金にあるのが見て取れる。
「それにしても、よくここまで人を追い詰めて平気でいられるよね。何人も何人も学校から追い出して、時にはそれ以上のことまでしてさ」
「…それが、夢壊しだから」
「そう。咲羅がしたいのはそういうこと。だけど、それは間違ってる」
「間違ってる…?」
「人間は平等、って言ってたよね。確かにそうよ。でも、それは権利としての平等。法律とかで、全ての人間が平等に守られてるってだけの話。咲羅が言ってるのは、その枠を超えた完全な平等なの。全ての人間が同じ扱いを受け、全ての人間が同じルートをたどる。…そんなの、楽しい?」
「…は?」
「そんな世の中作って、楽しい? 一体何になるの?」
「…そうじゃない…」
胸の中にある何かがうずき出す。
「そうじゃないの…!」
「…じゃあね、咲羅。天国に行ったら、自分が間違ってたって気づくと思うよ」
そんなのは…平等じゃない。
「あ、最後に何か言っておきたいことはある? 皆に伝えておくよ。それで皆に…笑われてみたら?」
「そうじゃない!」
月見がポケットに手を突っ込む。
「ここで終わるわけにはいかないの。そのための準備も、もうしてるから」
「…え?」
月見は、ポケットから一丁の拳銃を取り出した。他でもない。私が持っていた、あの銃だ。
「言ってくれたんだ。尾所咲羅が邪魔をするなら、殺しても構わないって」
「ちょっと…」
銃口は黒滔々としており、小さいながら見ていると吸い込まれそうになる。少し視線を下にずらせば、月見の人差し指が引き金にあるのが見て取れる。
「それにしても、よくここまで人を追い詰めて平気でいられるよね。何人も何人も学校から追い出して、時にはそれ以上のことまでしてさ」
「…それが、夢壊しだから」
「そう。咲羅がしたいのはそういうこと。だけど、それは間違ってる」
「間違ってる…?」
「人間は平等、って言ってたよね。確かにそうよ。でも、それは権利としての平等。法律とかで、全ての人間が平等に守られてるってだけの話。咲羅が言ってるのは、その枠を超えた完全な平等なの。全ての人間が同じ扱いを受け、全ての人間が同じルートをたどる。…そんなの、楽しい?」
「…は?」
「そんな世の中作って、楽しい? 一体何になるの?」
「…そうじゃない…」
胸の中にある何かがうずき出す。
「そうじゃないの…!」
「…じゃあね、咲羅。天国に行ったら、自分が間違ってたって気づくと思うよ」
そんなのは…平等じゃない。
「あ、最後に何か言っておきたいことはある? 皆に伝えておくよ。それで皆に…笑われてみたら?」
「そうじゃない!」