ステキな恋が実る飴

飴の想いで

俺があの女の子と初めて会ったのは



俺が5歳になった誕生日のことだ。


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たまたまお祖父に連れられたパーティーに



キミはいた。



「お祖父様!お庭に行ってもいい?」



「ん?庭か、池には近づくなよ」



そう、注意を促され「うん!」と返事をして



庭に向かい駆け出した。



庭に出て見るとベンチに座っている女の子を見つけた。



その女の子は、なぜか悲しそうで泣きそうにも思えた。



それてなぜか、



「どうかしたの?なにか嫌なことでもあったの?」



と、女の子に話掛けていた。



女の子は、驚いたように僕を見た。



そして、女の子は言葉を発した。


「私が気持ち悪くないの?」


そう、静かに呟いた。



この女の子が、なぜそんなことを言ったのか



女の子の目と月に照らされた髪を見て



ようやく謎が解けた。



「怖くないよ。気持ち悪くないよ」



僕は、笑顔で答えた。



女の子は、黒髪。そして碧の瞳をしていた。



この世界では、黒髪は異常とされ、



遺伝子の欠陥とも言われるほどだった。



女の子は、僕が怖くない。気持ち悪くないと言うと、



無垢な笑顔を作って、僕に笑いかけた。



僕は、その笑顔を見て胸が高鳴った。


僕は、いつの間にか



「君の名は、何て言うの?」




そう、聞いていた。
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