脳をえぐる小説集
弐
月田羅利子は、小さい頃から友達がいなかった。
性格が悪かったからだ。
ひとの欠点ばかりを見つけては、いちいちそれを指摘するので、誰からも嫌われてばかりいた。自己中心的で、相手の気持ちがわからない少女であった。
だから、幼い頃から、いつもひとりで遊んでいた。
家が貧しかったから、オモチャもあまり買ってもらえず。いつも、いろいろと空想をすることで遊んでいた。
おいしいお菓子やケーキを想像し、想像の中でそれを食べ、味や食感、喉の通りや、胃袋に落ちる感触までも細かく想像して楽しんだ。
ぬいぐるみを想像し、それを抱きしめ、あやしているふりをして遊んだ。そのときも、ぬいぐるみの生地の手触り、重さ、ボタンでできた目のプラスチックの固さや、縫い目のざらざらした感触も細かく想像して楽しんだ。
そんな遊びを、小学生になるまで続け、いろいろと細かく想像していくうちに、羅利子は特殊な能力を身につけた。
想像することによって、自由な幻覚を見られるようになったのである。