脳をえぐる小説集


そのとき、死体を包んでいた三十以上の嫌魔が、ひとつ、またひとつと小刻みに震えだした。缶藤美代子のときと同じだ。そして嫌魔は、極楽浄土を願った者達の魂をゆっくりとすすっていった。中崎の魂も、当然すすられていた。


「おまえら、何なんだよ?」
おれは嫌魔にむかって怒鳴った。
「なんでおまえらみたいなものが存在してるんだよ?」
返事がないとはわかっていたが、叫ばずにはいられなかった。いろんな負の感情が入り混じって、頭が破裂しそうだった。




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