アロマティック
作戦会議と混乱
「彼女、あれだけ仕事に一生懸命なんだからさ、きっと恋愛にも一途だったんだろうね」
テーブルに片方の肘をつき、そこに頬杖をついた天音が、みのりについて感じたことを、そのまま口にする。
強いインパクトを残していったみのりの言葉に、普段は周りで起きていることにあまり興味を示さない空すらも、
「気持ちが死んでる、なんていわせるほどのなにがあったんだろう……?」
永遠がもどかしさを振り払うように、乱雑に頭をかいた。
「過去に触れようとすると、頑なな態度で拒絶されるから知りようがないんだよなぁ」
大きくため息。
「………」
重たい沈黙が続くなか、永遠のとなりに座った朝陽が、目の前に置かれたままの文庫本に、ふと目を止める。花柄のカバーのかけられた文庫本はどう見ても女性のものだ。朝陽はみのりのものだと知りながら、おもむろに手を伸ばす。周りの会話に耳を澄ませながら、手もとに引き寄せた文庫本を、何気ないしぐさでパラパラとめくった。
「じゃあさ、外から攻めてみるとか!?」
聖が、最高の思いつきだと目をキラキラさせて、他のメンバー、ひとりひとりを見る。
『外』とは以前、居酒屋で飲み交わした、みのりの幼馴染みの青木理花のことを指しているらしい。
テーブルに片方の肘をつき、そこに頬杖をついた天音が、みのりについて感じたことを、そのまま口にする。
強いインパクトを残していったみのりの言葉に、普段は周りで起きていることにあまり興味を示さない空すらも、
「気持ちが死んでる、なんていわせるほどのなにがあったんだろう……?」
永遠がもどかしさを振り払うように、乱雑に頭をかいた。
「過去に触れようとすると、頑なな態度で拒絶されるから知りようがないんだよなぁ」
大きくため息。
「………」
重たい沈黙が続くなか、永遠のとなりに座った朝陽が、目の前に置かれたままの文庫本に、ふと目を止める。花柄のカバーのかけられた文庫本はどう見ても女性のものだ。朝陽はみのりのものだと知りながら、おもむろに手を伸ばす。周りの会話に耳を澄ませながら、手もとに引き寄せた文庫本を、何気ないしぐさでパラパラとめくった。
「じゃあさ、外から攻めてみるとか!?」
聖が、最高の思いつきだと目をキラキラさせて、他のメンバー、ひとりひとりを見る。
『外』とは以前、居酒屋で飲み交わした、みのりの幼馴染みの青木理花のことを指しているらしい。