アロマティック
策略家の天音が虐められた経験をもつなんて。信じられないけど、いっていることには共感できるものがあった。経験した者にしかわからない、孤独と忍耐。
「でも、永遠は違うよ」
天音の揺るぎない真剣な眼差しが、真っ直ぐに見据える。
「永遠は全力でみのりちゃんを守るよ」
ふたりの間を一陣の風が吹き抜ける。
「だから永遠に心を開いてやって、なんてそんな難しいことはいわない。ただ、もう少し頼ってあげて」
「……頼る」
はじめて聞く言葉のようにどこかぎこちない。
自分とごく一部の友人しか信用できなくなっていたわたしが、以前のように異性を信じることができるのだろうか?
でも、永遠のそばにいる時間は楽しい。
疲れたといって頭を乗せてくる膝枕も、自然と体に触れてくるのも嫌じゃない。
表情豊かな低音ボイスも、知識豊富な眼差しも、ちょっぴりドジなところも、真面目にならなきゃいけないところで小さな男の子みたいにふざけちゃうとこも、嫌いじゃない。
永遠のそばにいることが当たり前になってきていることが、嬉しくもあり怖かった。
この感情がどこからくるものなのかまだわからないけど、これ以上深入りして傷付くのも怖い。
男に裏切られたわたしが、また男を頼れるのだろうか?
心の壁を崩して、無防備な自分をさらけ出せるだろうか?
「でも、永遠は違うよ」
天音の揺るぎない真剣な眼差しが、真っ直ぐに見据える。
「永遠は全力でみのりちゃんを守るよ」
ふたりの間を一陣の風が吹き抜ける。
「だから永遠に心を開いてやって、なんてそんな難しいことはいわない。ただ、もう少し頼ってあげて」
「……頼る」
はじめて聞く言葉のようにどこかぎこちない。
自分とごく一部の友人しか信用できなくなっていたわたしが、以前のように異性を信じることができるのだろうか?
でも、永遠のそばにいる時間は楽しい。
疲れたといって頭を乗せてくる膝枕も、自然と体に触れてくるのも嫌じゃない。
表情豊かな低音ボイスも、知識豊富な眼差しも、ちょっぴりドジなところも、真面目にならなきゃいけないところで小さな男の子みたいにふざけちゃうとこも、嫌いじゃない。
永遠のそばにいることが当たり前になってきていることが、嬉しくもあり怖かった。
この感情がどこからくるものなのかまだわからないけど、これ以上深入りして傷付くのも怖い。
男に裏切られたわたしが、また男を頼れるのだろうか?
心の壁を崩して、無防備な自分をさらけ出せるだろうか?