アロマティック
反応を楽しんでいるのか、含み笑いをしながらみのりの通ったドアを閉め、彼女を椅子に誘う。みのりが座るのを確かめた永遠が、他の椅子を引き寄せ、向き合うように座った。
みのりはふたりきりの室内を見渡した。楽屋の中は、先ほど出ていったときとほとんど変わりのない状態で、テーブルも椅子も、きちんと整理されている。片付けたのか、暴れたわりに散らかっている様子はなかった。
窓から射し込む明るい陽射しが、室内を暖かく包む。永遠の澄んだ眼差しがずっとみのりを見ていた。みのりは戸惑い、言葉を探す。
「……怒ってないの?」
「怒ってないよ」
「……本当に?」
「正直、さっきまではイラついてた。でも」
そこで永遠がテーブルを指さす。
「スマホ?」
指の先を追ったみのりに、永遠は頷く。
「メンバーの皆から、いい加減にしないと一発づつ殴るぞって脅迫メールきて、やばいフルボッコされるって」
「脅迫メール?」
「まぁフルボッコっていうのは誇張しすぎだけど」
「永遠くんの怒りを冷ますメール、どんな内容だったの?」
「皆、俺らのことを考えてくれてるってことかな」
そう答えなからも、永遠はメールの内容を思い返していた。
みのりはふたりきりの室内を見渡した。楽屋の中は、先ほど出ていったときとほとんど変わりのない状態で、テーブルも椅子も、きちんと整理されている。片付けたのか、暴れたわりに散らかっている様子はなかった。
窓から射し込む明るい陽射しが、室内を暖かく包む。永遠の澄んだ眼差しがずっとみのりを見ていた。みのりは戸惑い、言葉を探す。
「……怒ってないの?」
「怒ってないよ」
「……本当に?」
「正直、さっきまではイラついてた。でも」
そこで永遠がテーブルを指さす。
「スマホ?」
指の先を追ったみのりに、永遠は頷く。
「メンバーの皆から、いい加減にしないと一発づつ殴るぞって脅迫メールきて、やばいフルボッコされるって」
「脅迫メール?」
「まぁフルボッコっていうのは誇張しすぎだけど」
「永遠くんの怒りを冷ますメール、どんな内容だったの?」
「皆、俺らのことを考えてくれてるってことかな」
そう答えなからも、永遠はメールの内容を思い返していた。