アロマティック
買ったものを見せようと、みのりが立ち上がろうとしたところを察知して、ずっと繋いでいた手に一瞬力が加えられる。まるで離れるのを惜しむように。永遠が読んでいる雑誌を閉じ、自由になったみのりは椅子から立ち上がり、買い物袋からマグを取り出す様子を興味深げに眺めた。
みのりはアースカラーで揃えたメタリックボディのボトルマグを、ひとつずつテーブルに並べていく。
「あんまり小さくてもすぐに飲み終わってしまうから、なるべく容量が入って持ちやすそうなの選んだんだ」
永遠は質感のあるメタリックボディのボトルマグを手に取って、満足そうに頷く。
「うん、いいね。仕事以外のこと頼んだのに、嫌な顔ひとつしないで皆の分を用意してくれて、ありがとう」
白い歯を見せて嬉しそうに笑う永遠が改めてお礼をいうのを聞いて、みのりは首を振りながら照れ笑い。
「力になれることが嬉しいから」
ボトルマグを置いた永遠の手が伸びてきて、みのりの頬に触れる。向けられる眼差しは、熱を帯びたように潤んでいて、落ち着いたはずのみのりの心臓が再び騒ぎだした。
座ったままの長身の永遠と、その隣りに立つ小さなみのりの視線の高さはほぼ同じ。頬に永遠の手が触れたまま、見つめ合った。
「………」
「………」
みのりはアースカラーで揃えたメタリックボディのボトルマグを、ひとつずつテーブルに並べていく。
「あんまり小さくてもすぐに飲み終わってしまうから、なるべく容量が入って持ちやすそうなの選んだんだ」
永遠は質感のあるメタリックボディのボトルマグを手に取って、満足そうに頷く。
「うん、いいね。仕事以外のこと頼んだのに、嫌な顔ひとつしないで皆の分を用意してくれて、ありがとう」
白い歯を見せて嬉しそうに笑う永遠が改めてお礼をいうのを聞いて、みのりは首を振りながら照れ笑い。
「力になれることが嬉しいから」
ボトルマグを置いた永遠の手が伸びてきて、みのりの頬に触れる。向けられる眼差しは、熱を帯びたように潤んでいて、落ち着いたはずのみのりの心臓が再び騒ぎだした。
座ったままの長身の永遠と、その隣りに立つ小さなみのりの視線の高さはほぼ同じ。頬に永遠の手が触れたまま、見つめ合った。
「………」
「………」