アロマティック
 顔を上げたそのひとは、目鼻立ちのハッキリした長身で、スタイルもよく、現在売れっ子俳優として知名度を上げている直江凌。永遠とはアロマティックで共演が決まっている人物である。

「どうぞどうぞ」

 永遠が室内へと誘い、立ち上がったメンバーとそれぞれ初めましての挨拶を交わす。

「永遠さんとは台本読みで1度お会いしているんですが、たまたまこの近くで撮影をしていたら、Earthの皆さんがここにいると聞いて、ぜひ挨拶をしたいと伺った次第です」

「いやいや、どうもありがとうございます」

 Earthが頭を下げると、改めてメンバーの顔をひとりひとりを見た直江が、嬉しそうに顔を輝かせた。

「嬉しいな。ぼく、カラオケに行くと必ず歌うくらい皆さんのファンなんです」

「マジっすか!? いや、こちらこそ、そういってもらえると嬉しいです。今度はコンサートのほうにもぜひ来てください」

「本当ですか!? ぜひ行かせていただきます」

 和やかな雰囲気のなか、直江と永遠が約束の握手を交わす。

「ところで永遠さん、アロマテラピーの勉強しました?」

「ええ。アドバイザーについてもらって毎日勉強してますよ」

「へぇ、凄いな。ぼく、講習会に参加してるんですけど、アロマって結構深いですね」

「深いっすね。俺なんかすっかりはまってます」
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