アロマティック
お客さまが来ていることを察したみのりは、礼儀正しく一声かけ、疲れて痺れる腕が重い荷物を落とす前に、急いでテーブルの上に置いた。一刻も早く、ボトルマグをテーブルに置くことに夢中になっていたため、顔も上げず、来訪者にも無関心になっていた。
「アドバイザーをやってもらってる彼女が戻ってきました」
となりに立つ永遠の声に、彼を見上げる。みのりを見つめて輝く永遠の笑顔に、幸せを感じながらみのりも微笑みを返す。
どこかでハッと、息を飲む声。大股で、みのりへと近づいてくる人影。
「みのり……?」
その声を聞いたみのりは、信じられない思いで目の前に立つ男を振り返る。
みのりの目が、驚きで見開かれた。
まさか。
そんな。
目の前に立つ男に、みのりの胸が締めつれられるような強烈な痛みに襲われた。
これは、なにかの幻影?
わたしの全てだった、心から好きだったひと。
数年ぶりに見るのは、あの頃よりずっと男らしくなった、大人びた顔……。
「りょ、う……?」
「みのり……!」
逃げるように、イヤイヤと首を振って後ろに下がろうとするみのりの体が、テーブルにぶつかって止まる。
「ずっと探してた……!」
抵抗する間もなく、腕を捕まれ、気づくと凌の腕に抱き締められていた―――。
「アドバイザーをやってもらってる彼女が戻ってきました」
となりに立つ永遠の声に、彼を見上げる。みのりを見つめて輝く永遠の笑顔に、幸せを感じながらみのりも微笑みを返す。
どこかでハッと、息を飲む声。大股で、みのりへと近づいてくる人影。
「みのり……?」
その声を聞いたみのりは、信じられない思いで目の前に立つ男を振り返る。
みのりの目が、驚きで見開かれた。
まさか。
そんな。
目の前に立つ男に、みのりの胸が締めつれられるような強烈な痛みに襲われた。
これは、なにかの幻影?
わたしの全てだった、心から好きだったひと。
数年ぶりに見るのは、あの頃よりずっと男らしくなった、大人びた顔……。
「りょ、う……?」
「みのり……!」
逃げるように、イヤイヤと首を振って後ろに下がろうとするみのりの体が、テーブルにぶつかって止まる。
「ずっと探してた……!」
抵抗する間もなく、腕を捕まれ、気づくと凌の腕に抱き締められていた―――。