アロマティック
 理花とリーダーの空は、見つめ合って照れ笑いを浮かべていた。お見合いでもあるまいし。みのりはその様子にしらけた。

「えーっええーっいいな、リーダー!」

 みのりはその大きな声に、またもやビックリさせられた。答えに納得していない聖が、地団駄を踏んでいる。子供か!

「俺だと思ったのに」

「あなた、遠慮なくっていったでしょ。その結果ですよ。だいたいその自信はどこからくるんですか」

「あっ!」

 なにか閃いたのか、聖が指をパチンと鳴らして目を輝かせる。

「じゃあさ、2番目は!? 2番は誰っ!?」

「ええっ2番!?」

 迫る勢いの聖に、さすがの理花も身を引いて苦笑い。

「聖さん、往生際が悪いですよ」

「うおお~天音、なぐさめてくれ~」

「いやです。暑苦しい」

 両手を広げる聖を、天音はスパッと一刀両断。

「ガーン」

 聖、ショックで固まる。その聖の瞳が大事な存在にハッと気づいたように、朝陽を見つけた。

「朝陽~っ」

「来るな」

「ガーン」

 聖、再びショックで固まる。
 なんなんだろう、このショートコントみたいなものは……。みのりは目の前で繰り広げられているものについていけなかった。
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