アロマティック
 そういわれても……気になるものは気になる。
 永遠の体がわたしに反応している。
 わたしを欲しいと思ってくれている。
 それが素直に嬉しかった。

「永遠くん、あの……」

 この場合、なんていったらいいの?
 してもいいよ?
 なんていえない。
 永遠が相手ならわたしは、大丈夫。
 だけど、それをどうやって伝えればいいの?
 わたしをあげる?
 これも、なんか違う。

「絶対、みのりの嫌がることはしない。だから気にするな。ただ、抱きしめたいんだ」

 なにかを我慢しているような、辛そうな口調。その言葉で、私の返す言葉がわかった。

「永遠くん……」

 手を伸ばして永遠の頬に、そっと触れる。

「抱いて」

 ハッと息を飲む音。

「……いいのか?」

 みのりが頷くために、下を向き上に顔を戻すときには永遠の唇が下りてきて、開いた唇から舌が入り込んできた。荒々しく求められ、まるで嵐のような永遠に翻弄される。
 永遠くんになら翻弄されてもいい。
 みのりは永遠に身を任せた。
 腰を掴んでいた永遠の手が、みのりのシャツのなかに潜り込んでくる。腰に置かれたままの手は、みのりがバランスを崩さないようにしっかりと彼女を支えている。永遠の男らしい大きな手がわき腹を撫で、ブラの上からそっと胸を包む。

「……っ」

 びくりと体を震わせたみのりは、息を乱した。
 そのとき、ふたりのすぐそばにあった玄関のドアが大きく開く。
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