アロマティック
その行動に唖然としていると、顎を押さえられ、あろうことか凌の唇に口を塞がれた。
「―――!」
サングラスの向こうの瞳が、見開かれる。
「あ……うそ」
目の前で起きた信じられない光景に、みのりが動きを止める。
「ぶはっ……凌! おまっ」
凌を突き飛ばした永遠は、顔を真っ赤にしながら服の袖で、口をゴシゴシ拭う。
「本当はみのりとしたかったけど、出発前に救急車に乗りたくないので、間接キスで我慢しました」
永遠とのキスが、間接キスって。
もう苦笑いしか浮かばないよ。
珍しいくらいうろたえている永遠が、ここでは言葉に出来ないような語句を並べ立て、猛烈に文句をいっている。
「いつ帰ってくるの?」
「わからない。ただ、男としてもう1度自信をつけたら帰ってくる。そのときは……」
いいかけて、首を振る。
「いや、なんでもない。そろそろ行くよ」
「頑張ってね。いってらっしゃい」
「いってきます」
こうして凌はとんでもない爪跡を残し、旅立っていった。
「―――!」
サングラスの向こうの瞳が、見開かれる。
「あ……うそ」
目の前で起きた信じられない光景に、みのりが動きを止める。
「ぶはっ……凌! おまっ」
凌を突き飛ばした永遠は、顔を真っ赤にしながら服の袖で、口をゴシゴシ拭う。
「本当はみのりとしたかったけど、出発前に救急車に乗りたくないので、間接キスで我慢しました」
永遠とのキスが、間接キスって。
もう苦笑いしか浮かばないよ。
珍しいくらいうろたえている永遠が、ここでは言葉に出来ないような語句を並べ立て、猛烈に文句をいっている。
「いつ帰ってくるの?」
「わからない。ただ、男としてもう1度自信をつけたら帰ってくる。そのときは……」
いいかけて、首を振る。
「いや、なんでもない。そろそろ行くよ」
「頑張ってね。いってらっしゃい」
「いってきます」
こうして凌はとんでもない爪跡を残し、旅立っていった。