アロマティック
「はい、じゃあ乾杯!」
居酒屋で、理花とEarthのメンバーが、グラス片手にお酒を飲み始めた頃。
「―――!」
永遠は飲もうとして持ち上げたグラスを途中で止め、ハッと息を飲んで顔をあげた。
みのりの声が聞こえた。
彼女が涙に声を震わせ、俺を呼んでいる。
永遠は勢いよく席を立った。
迷う必要はなかった。
「悪い。俺、行くわ」
「え? あっ永遠くん!?」
理花は、思い詰めた表情で背中を見せて駆けていく永遠に声をかけたものの、すでに店を出ていったあとだった。
その場にいた永遠以外のEarthのメンバーと、理花が顔を見合わせる。店を出た永遠は全速力で駆けた。自分の目指す場所へ。
みのりは、玄関のドアを叩く激しい音に気づいた。顔に手をやると濡れている。それまでずっとテレビの目の前で、画面に手をついたまま泣いていたようだ。
慌てて服の袖で涙を拭い、玄関口までくると、ドアを叩く音と共に、みのりの名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
この声は、永遠……!
会いたいと強く望んだひとの声に、急いで鍵を開ける。
「永遠……!」
ドアを開けて永遠が姿を現すと、直ぐ様抱きついた。しかし肩を掴んだ彼に離される。永遠はみのりの表情を良く見ようと身を屈めた。
「みのり……どうした? 目が真っ赤だ……泣いてたのか? どっか痛いのか? 大丈夫か!?」
居酒屋で、理花とEarthのメンバーが、グラス片手にお酒を飲み始めた頃。
「―――!」
永遠は飲もうとして持ち上げたグラスを途中で止め、ハッと息を飲んで顔をあげた。
みのりの声が聞こえた。
彼女が涙に声を震わせ、俺を呼んでいる。
永遠は勢いよく席を立った。
迷う必要はなかった。
「悪い。俺、行くわ」
「え? あっ永遠くん!?」
理花は、思い詰めた表情で背中を見せて駆けていく永遠に声をかけたものの、すでに店を出ていったあとだった。
その場にいた永遠以外のEarthのメンバーと、理花が顔を見合わせる。店を出た永遠は全速力で駆けた。自分の目指す場所へ。
みのりは、玄関のドアを叩く激しい音に気づいた。顔に手をやると濡れている。それまでずっとテレビの目の前で、画面に手をついたまま泣いていたようだ。
慌てて服の袖で涙を拭い、玄関口までくると、ドアを叩く音と共に、みのりの名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
この声は、永遠……!
会いたいと強く望んだひとの声に、急いで鍵を開ける。
「永遠……!」
ドアを開けて永遠が姿を現すと、直ぐ様抱きついた。しかし肩を掴んだ彼に離される。永遠はみのりの表情を良く見ようと身を屈めた。
「みのり……どうした? 目が真っ赤だ……泣いてたのか? どっか痛いのか? 大丈夫か!?」