アロマティック
『撮影入り→1ヶ月後

・俺→主役。
・兄弟でアロマを通してひとを幸せにしていく→主役。
・1話毎にテーマがあり、物語に香りで色を添えて盛り上げていく→主役。』

 それにしても主役主役って、何回も書かれるとそこを強調してるみたい。
 凄いねって誉められたいのだろうか? まるで子供じゃない。
 みのりの口元に自然と笑みが浮かんだ。

 とりあえず時間は1ヶ月あるのね。っていっても多忙な人だからな……。
 他にもいくつか書いてある永遠のメモに一通り目を通して、何が必要なのか頭のなかで整理する。
 基本的な知識は教えるとして、撮影で基材を扱うシーンは何度も出てきそうだ。どんな基材を扱うことになってもスムーズに使いこなせるといいよね。
 みのりはベッドからおりて小振りのトランクを引っ張り出す。開いてどれくらいのものが入るかしばらく考えて、やがて頷く。膝立ちで部屋のなかを数歩移動して、アロマテラピーの基材を入れた棚に向かった。木製の扉を開けたみのりは、時間を忘れて必要な基材をトランクに入れるのに夢中になった。


 ピンポー……ン。
 ピンポーン!

 遠くでインターホンが鳴っている。

「うーん……うるっさいなぁ……」

 まだ半分夢の中のみのりは、呟きながら寝返りをうつ。
 結局、夜遅くまでアロマの準備をしていた為に寝不足だった。

 ピンポンピンポンピンポーン!
 いつまで経っても出てこないみのりに、インターホンを押す人物が、イラついて連打しているらしい。
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