アロマティック
「香りで癒す、イメージだな」

「うん、外れてはいない。ベースになっている香りの元は、一般的にアロマオイルって名前で売られているけど、精油(エッセンシャルオイル)っていうのがベターかな」

「精油。なるほど」

 みのりの説明に、永遠が頷く。

「成分の変化を防ぐのに、ガラス製の遮光瓶に入れて販売されてる。だから、もし精油って書いてあって他の容器で販売されてるものがあったら成分を疑って」

「そうなの?」

「合成香料だったり、オイルで薄められてるものがほとんどだと思う。瓶に入って売られているものも、安いのはまがい物。100均で売られているものだいたいこの部類」

「さすが。詳しいな」

 感心しながら耳をかたむける永遠に、みのりは話していて楽しくなっていた。

「俺から聞いてもいいか?」

「どうぞ」

「さっき合成香料の話がでたけど、アロマと香水って違うのか?」

「うん、違う。簡単にいうと、合成香料とか人工的に作られた香りも含まれるのが、香水。植物の根や葉、果皮から抽出された天然の有機化合物100%のものが精油」

「混じりけのない天然の香りが精油ってことか」

「そうそう。で、最初の質問に戻るよ。精油が持っている力を使って美容や健康に役立てる自然療法のことをアロマテラピーっていうわけ。でね……」
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