アロマティック
「ほら、あ――……」
指先でみのりをさしたまま、どんどん近づいてくる。名前を思い出そうとしているのか、難しそうな表情を浮かべて。
「あっ! みのりちゃんだー! ねっ?」
自分で答えを見つけられて嬉しそうな聖。その指先が、鼻先に突きつけられて「は、はい、そうです」勢いに押されて、みのりはコクコクと頷くしかなかった。
切れ長の瞳、シャープな輪郭。明るい茶に染めた髪は全体的にふんわりとしたエアリーヘア。さすがモデル担当。永遠と似た細身の長身だ。
「ハッ、もしかして、俺に会いに!?」
「へ? あ、いや……あの――」
「まいったな~」
否定の言葉が聖によってかき消される。
困ったなと嬉しそうに、片方の手のひらをおでこにペチッとくっつけてニヤニヤ笑っている。
「気持ちは嬉しいけど、俺には何十万というファンの子がいるからさ、個人的なお付き合いは――」
「仕事だから!」
「俺のアロマアドバイザー!」
ひとり突っ走る聖に我慢できなくなって、みのりと永遠が同時に叫ぶ。
「あら……なんだ。そうなの」
ふたりの剣幕に、我に返ったようだ。
「永遠ちゃんのアロマ? アドバイザーか。よくわかんないけど、しばらくはこうやって会う機会が多くなるんだね」
そうか。永遠についている以上、Earthの他のメンバーとの接触は避けられないのか。
指先でみのりをさしたまま、どんどん近づいてくる。名前を思い出そうとしているのか、難しそうな表情を浮かべて。
「あっ! みのりちゃんだー! ねっ?」
自分で答えを見つけられて嬉しそうな聖。その指先が、鼻先に突きつけられて「は、はい、そうです」勢いに押されて、みのりはコクコクと頷くしかなかった。
切れ長の瞳、シャープな輪郭。明るい茶に染めた髪は全体的にふんわりとしたエアリーヘア。さすがモデル担当。永遠と似た細身の長身だ。
「ハッ、もしかして、俺に会いに!?」
「へ? あ、いや……あの――」
「まいったな~」
否定の言葉が聖によってかき消される。
困ったなと嬉しそうに、片方の手のひらをおでこにペチッとくっつけてニヤニヤ笑っている。
「気持ちは嬉しいけど、俺には何十万というファンの子がいるからさ、個人的なお付き合いは――」
「仕事だから!」
「俺のアロマアドバイザー!」
ひとり突っ走る聖に我慢できなくなって、みのりと永遠が同時に叫ぶ。
「あら……なんだ。そうなの」
ふたりの剣幕に、我に返ったようだ。
「永遠ちゃんのアロマ? アドバイザーか。よくわかんないけど、しばらくはこうやって会う機会が多くなるんだね」
そうか。永遠についている以上、Earthの他のメンバーとの接触は避けられないのか。