アロマティック
「ラベンダーは知ってるけど、ラベンサラ?」
聞いたことない、と永遠が興味深げにラベンサラの精油を手に取る。
「名前だけだと香りのイメージつかないよね。そこの細長い厚紙、ムエット(試香紙)っていうんだけど、精油を1滴づつ垂らして香りを試してみるといいよ」
みのりは試しにムエットを手に取って、やってみせた。精油の入った瓶をそこに傾け、1滴垂らす。精油のついたムエットを、鼻から僅かに放して香りが鼻腔に届くよう振る。
「こんな感じね」
ラベンダーのついたムエットを渡す。
「あ、やっぱりどっかで嗅いだことある、スッキリした匂いがする」
「芳香剤としてもよく売られているよね。ラベンダーが入ると、強い香りのものもまるくなって香りがまとまりやすくなるの。わたしもブレンドに失敗したときとか、かなりお世話になってる」
なるほどと頷き、みのりがやったようにラベンサラの香りをムエットで確かめた永遠が、微妙な表情を浮かべた。
「あんまり好きな香りじゃなかった?」
ラベンサラのついたムエットを訝しげにじっと見つめる永遠に、苦笑する。
「木みたいな匂いした」
永遠の率直な感想に、我慢できなくなって吹き出した。
「単体で使うと好みがはっきり別れる精油だよね。意外かもしれないけど、だいたいの精油と相性がいいんだよ。永遠くんが試したラベンダーとラベンサラに、もうひとつ精油を加えてアロマスプレーを作りたいの。最後のひとつ、この中から永遠くんが選んでくれる?」
聞いたことない、と永遠が興味深げにラベンサラの精油を手に取る。
「名前だけだと香りのイメージつかないよね。そこの細長い厚紙、ムエット(試香紙)っていうんだけど、精油を1滴づつ垂らして香りを試してみるといいよ」
みのりは試しにムエットを手に取って、やってみせた。精油の入った瓶をそこに傾け、1滴垂らす。精油のついたムエットを、鼻から僅かに放して香りが鼻腔に届くよう振る。
「こんな感じね」
ラベンダーのついたムエットを渡す。
「あ、やっぱりどっかで嗅いだことある、スッキリした匂いがする」
「芳香剤としてもよく売られているよね。ラベンダーが入ると、強い香りのものもまるくなって香りがまとまりやすくなるの。わたしもブレンドに失敗したときとか、かなりお世話になってる」
なるほどと頷き、みのりがやったようにラベンサラの香りをムエットで確かめた永遠が、微妙な表情を浮かべた。
「あんまり好きな香りじゃなかった?」
ラベンサラのついたムエットを訝しげにじっと見つめる永遠に、苦笑する。
「木みたいな匂いした」
永遠の率直な感想に、我慢できなくなって吹き出した。
「単体で使うと好みがはっきり別れる精油だよね。意外かもしれないけど、だいたいの精油と相性がいいんだよ。永遠くんが試したラベンダーとラベンサラに、もうひとつ精油を加えてアロマスプレーを作りたいの。最後のひとつ、この中から永遠くんが選んでくれる?」