アロマティック
永遠は、興味津々といった感じで、精油の入った瓶をひとつひとつ手に取って、ラベルを確かめる。小さな瓶は、永遠の大きな手が持つと、まるでおもちゃみたい。それでも本人は真剣な表情で、手のひらに収まる小さな瓶を見ている。
そのちぐはぐなギャップにくすぐられたみのりは、じんわりとあたたかなものに心を満たされた。
「カモミール・ローマン、ゼラニウム、スイートオレンジ、マンダリン……」
永遠の低音ボイスが、精油の名を読み上げていく。
心地よい声に、みのりは目を閉じて耳を傾けた。
永遠が瓶を開けたのだろう。ほんわりと香りが漂ってきた。
ローズに似た、甘いグリーンフローラルな香り。
これは……ゼラニウム。
ムエットを使い、香りを試す永遠の瞳は、探求心に輝いている。
室内に香りが広がって、空気の色が変わった。
「なんか匂いする!」
好奇心に目を輝かせた聖が、鼻をうごめかせながら近づいてきた。
「なにそれ? おおお~楽しそうなの色々ある! 理科の実験!?」
「聖、あっち行って」
永遠の言葉に、基材に手を伸ばしかけた聖の手が止まる。
「なんだよー、じゃ、見てていい?」
永遠は、ムエットで香りを確かめながら、はっきり一言。
「邪魔」
永遠ちゃんの意地悪! 聖はぶちぶち呟きながら、再び天音にちょっかいをだしに行った。
そのちぐはぐなギャップにくすぐられたみのりは、じんわりとあたたかなものに心を満たされた。
「カモミール・ローマン、ゼラニウム、スイートオレンジ、マンダリン……」
永遠の低音ボイスが、精油の名を読み上げていく。
心地よい声に、みのりは目を閉じて耳を傾けた。
永遠が瓶を開けたのだろう。ほんわりと香りが漂ってきた。
ローズに似た、甘いグリーンフローラルな香り。
これは……ゼラニウム。
ムエットを使い、香りを試す永遠の瞳は、探求心に輝いている。
室内に香りが広がって、空気の色が変わった。
「なんか匂いする!」
好奇心に目を輝かせた聖が、鼻をうごめかせながら近づいてきた。
「なにそれ? おおお~楽しそうなの色々ある! 理科の実験!?」
「聖、あっち行って」
永遠の言葉に、基材に手を伸ばしかけた聖の手が止まる。
「なんだよー、じゃ、見てていい?」
永遠は、ムエットで香りを確かめながら、はっきり一言。
「邪魔」
永遠ちゃんの意地悪! 聖はぶちぶち呟きながら、再び天音にちょっかいをだしに行った。